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アフリカ最高峰に恋をして 4日目 山頂5895mへ [登山]

11時に目が覚めた。 同室のオランダ人とアメリカ人達が起きて準備をしていた。

我々もお手洗いを済ませて最終準備。 小屋の中も外も温度は零下。
着込んで暖かくし、帽子を着用。

DSC0112510.JPG
11時半にガイドが来てお茶を飲みながらブリーフィング。
でも実際には我々の体調を観察していたのだった。

K君の持参したSPO2メーターで測ると数値は86。 
アコンカグアの時はここと標高が近かったニドデコンドレスで
80そこそこだったのでまずまずの値だ。

0時10分に頂上目指して出発!

登山道は小屋の裏に回りこんでザラ場を進む。 
雪はまったくない。

気温は寒く、そしてまじめに呼吸法を継続しないと
たちまち息が切れる。 強く2吐きで1歩進む歩行法は
随分とゆっくりに感じるが確実だった。

先行するパーティーのヘッドランプが上に動いている。
富士山みたい。 でもその光以外はこんな感じ。
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しかし4時間登って標高5500近くではその2吐き一歩の呼吸法も
空気が薄くてもたなくなって3吐き一歩にペースダウン。 がっくり。
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相変わらずザラ場を歩き続ける。 

それでも先行パーティーを随分追い抜いて来たのだからいいペースだったと思う。

頂稜近くで岩が大きくなって傾斜が急になる。 ここを8年前はへろへろ
になってサブガイドにザックを背負ってもらって登ったのを思い出す。

夜明けの前の暗がりの中、ギルマンズポイントに到着。4時45分

ガイドが祝福してくれる。 このHolsonは「強いぞ!」と褒めてくれるが、
こちとら二人とも高度訓練に投資してきたんだから当然で、ここは単なる
通過点にしか過ぎないので3分休むかどうかで「先に行こう!」とせかす。

ギルマンズポイントからは火口壁の内側の雪の上の踏み跡をたどる。
暗くて余り下が見えないが、雪が締まっているので踏み外して落ちると
少し厄介なことになりそうだ。 

帰りに撮った画像だとこんなところ。 傾斜は緩い。
DSC0118515.JPG
但し、ここは雪が凍っている場合は少し注意が必要だろう。 


1km弱ほどでもう一度火口壁の稜線に出る。 
上下に30個ほどのヘッドライトが動いている。  

この稜線は風があった。 息が辛い。
同じペースを維持できなくなる。3回吐きで一歩前進するのがやっとで
その歩みも一段と遅くなる。
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夜明け前の青い闇の中、左に大きな氷河が見えてくる。 雪田みたいに
見えたのだが、これは氷河だ。

頂上直下の平坦な場所に出たところで夜が明けた。 
あと300m。 近くに見えるが息が苦しく時間がかかる。

6時10分-
やっとたどりついた。 最初に登山を開始してから7年と350日かかった。
DSC0114115.JPG
山の向こう側に雲海、そしてメルー峰と、その右にキリマンジャロの影が見える!

題して「影マンジャロ!」 
美しい。何という景色だろう。

同時期にNHKの「グレートサミッツ」というBS番組の取材班が入っており、
ホテルで一緒に飲んだ時に彼らにもこの風景を紹介したのできっと撮るかな?
6月頃にキリマンジャロは放映予定なのだそうだ。 


K君と握手。 記念撮影。 
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さらに妻からもらった中野の都こんぶを記念に食べる。 
DSC0116110.JPG
冷たくて酸っぱい。 愛ってこういう味だったのね。


山頂の表示板近辺には15人近くが集まってきて山頂標識の写真は順番待ち。
今日の登頂者はこのあとの時間も含めて恐らく5-60名近かっただろう。

たくまずして登頂日が誕生日の朝になったので、自分自身へのいいお祝いになった。

出発前のブリーフィングでガイドいわく、体に悪いので山頂には15分留まって戻る
といっていたのだが、思いの外に早く到着したので30分近く滞在し、眺めを満喫した。


パノラマ展開。 
Picture335.jpg

K君の雄姿。
DSC0115710.JPG

アプローチが楽なモンブランはもう一回行くかもしれないけど
ここにはもう来られないかもしれないもの。 胸一杯に風景を楽しんだ。 
頂上滞在25分で下山開始。 


下りはあっけないほど呼吸も楽だ。
走るわけにはいかないが2度吐き二歩で進めた。

帰路は凍った雪が溶け始めていて危ないと判断したガイドは
火口壁内側でなく、稜線沿いを伝っていく。 
槍と穂高の縦走コースほどの難度で少し面白い。


DSC0118710.JPG
ギルマンズポイントを通り過ぎる。


そこからはマベンジ峰を目の前に、小屋の屋根に向かって
須走り状のザレ場を時に走り下っていく。
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くだり終わって上を見上げたところ。
DSC0119110.JPG
道はしっかりついている。


小屋に戻ったのが9時で、荷物をまとめて1時間ほど休憩し、ホロンボハットへと下山。
ここの帰りは快調。 サドルでホロンボ小屋から上ってきたトレバー君
とすれ違い、祝福と健闘を祈る言葉を交わして今日の最後の登りのマベンジリッジを越える。
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そこからはだらだらと下る。 道はどこまでも明瞭で歩きやすい。

くだりの傾斜が少しきつくなるとホロンボ小屋はすぐだった。
DSC0119910.JPG

午後12時半。 もっと下れそうだったが再びホロンボハットに宿泊した。

全て早め早めの行動が図にあたり、午後2時から雨が降ってきていた。

登頂のお祝いにビールでも、と思ったが売っていないので祝杯は明日に持ち越し。

寝不足だったので他の日本人団体ツアー客と少し情報交換して夕飯後はすぐに就寝。








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