豊饒の海 [旅は道連れ世は情け]
高校生の時に三島由紀夫の「豊饒の海」という本を読んだ。
あの時はまだ幼くて小説の内容はよく咀嚼しきれなかったのだけれど、
滔々と海流の流れる豊かな海を連想させる「大作」を読んだ感覚が
残り、いったい原題にあるような海がイメージできる場所は世界の
どこにあるのだろうとずっと思っていた。
先月、本社からの役員訪問スケジュールに変更(キャンセル)があり、
急遽溜まっていた休暇をとる事にした。
妻がいつの間にかダイビング好きが昂じ、アシスタントインストラクター
資格まで取っていたことが発覚。 あっという間にお稽古事に
置いて行かれたので負けまいとスキルを磨こうと思いパXXで独り合宿とした。
PADIスキューバダイバー、オープンウォーター、アドバンス、レスキューと
イギリス人とアメリカ人達に習って10年、今まで遊んでばかりいたが、
着々とお稽古事をこなす(稽古事に強い)、しっかり者の妻に
負けてはいられない。
頑張ってダイブマスター、そしてAI(アシスタントイントラ)までは
取らねば彼女を海に潜りに最初に連れて行った夫としての沽券に係わる。
しかし、今回のパXX行はそもそも「ダイビング」というものを自分がそこまで
好きなのかどうかを見極め、あわよくば少しでもダイビングのスキルを磨いて
追いつこうという目的である。
いつもはパXXというと夜はお姉ちゃんのいるバーでタイ語の教習を受けて
飲んだくれて沈没するのがコースだが今回のパXXはここ!
フカヒレ用サメ漁が禁猟となった場所でまじめに過ごします。
ムンバイからバンコク、バンコクから日本、日本からグアム、グアムからコロール。
第二次世界戦争中にガダルカナルを失い、ラバウルから逃げてきた
旧日本海軍連合艦隊の本拠地。初めて来たけどインドからは結構遠いなぁ。
遥かに悲しき戦いの地、ペリリュー島を見はるかす。
かつて2ヶ月半ほどの戦いがあり、あの島で1万2千人以上の日本兵と
米兵が亡くなった。
近くには日本軍が遺棄した燃料缶が転がり、
破壊された日本軍の野砲も見える。
砲はよい品質の鉄。これは2トン以上あるからもしも製鉄所まで持っていけば
スクラップで2万円にはなるだろう。 実際こうやって沈んだ軍艦や
輸送船もどんどん鉄屑となって片付けられていったのだ。
聞けばパラオ共和国南部、アンガウル準州では公用語として「日本語」が
使われているのだという。 でももう日本語を話す人たちも70歳を超え、
20年以内にはその指定もなくなるだろう。
コロール港は西太平洋海洋支配の根拠地となる良港だけあって、
古くはスペインからこの島を買い受けたドイツの海軍も
第一次世界大戦前には色々な設備を設けていた。
これは海中に設置された軍艦繋留用の浮標固定鎖と浮力固定用のブイ鉄球錘。
直径1mほどでなかなかフォトジェニック。
クルップ砲で有名な鉄鋼メーカーのティッセンクルップ製か。
色々残る戦争の暗い陰を離れ、4日間海で撮影して遊ぶ。
河豚好きの私は今回海の中でミナミハコフグを追った。
ビデオも撮れたのでUp。
http://youtu.be/1_3ar7-CN2w
海の中でハコフグ君がタイマイに出会うという、なかなかに
可愛い場面が偶然撮れた。
これはいつも大好きなフグを追いかけている成果である。フグは福に通じる。
好奇心旺盛なタイマイの子ガメ、慌てて逃げるハコフグ、両方とも可愛いなぁ。
海底でじっとしていると幅4mにも及ぶマンタレイが連れ立って
現れ、尻尾がカメラに触れ合わんばかり近くを通り過ぎる。
優雅に泳ぐその姿、
http://youtu.be/XWLi2mXomRU
確かにダイバーに愛されるわけである。
(差渡し3m強のマンタが海面近くでプランクトン捕食中)
今回の滞在中このポイント、潮の流れの速いGerman Channnelに4回潜って4回とも
マンタレイに出会うことができた。
リーフシャークの群れ、全部で20個体は居た。
ユーモラスなメガネモチウオ。
このあと私の頭にぶつかってきた。結構ごつごつして重いので痛かった。
魚は全体的におぼこく、あまり人を恐れない。
食物連鎖がはっきりしている為、魚はあくまで魚を怖れている。
ここに来ると皆が優雅な泳ぎのマンタレイ(オニイトマキエイ)に魅せられ、
泳ぎ方もマンタスタイルになってしまう。
浅い海にいる魚たちの多くに会えるパラオの海。豊かな海。
かつてこの地で米軍相手に絶望的な戦いを挑み、結果生き残り、
戦記著作の多くをものした舩坂 弘氏と知己のあった三島由紀夫も
この海に来れたのだろうか。
あの時はまだ幼くて小説の内容はよく咀嚼しきれなかったのだけれど、
滔々と海流の流れる豊かな海を連想させる「大作」を読んだ感覚が
残り、いったい原題にあるような海がイメージできる場所は世界の
どこにあるのだろうとずっと思っていた。
先月、本社からの役員訪問スケジュールに変更(キャンセル)があり、
急遽溜まっていた休暇をとる事にした。
妻がいつの間にかダイビング好きが昂じ、アシスタントインストラクター
資格まで取っていたことが発覚。 あっという間にお稽古事に
置いて行かれたので負けまいとスキルを磨こうと思いパXXで独り合宿とした。
PADIスキューバダイバー、オープンウォーター、アドバンス、レスキューと
イギリス人とアメリカ人達に習って10年、今まで遊んでばかりいたが、
着々とお稽古事をこなす(稽古事に強い)、しっかり者の妻に
負けてはいられない。
頑張ってダイブマスター、そしてAI(アシスタントイントラ)までは
取らねば彼女を海に潜りに最初に連れて行った夫としての沽券に係わる。
しかし、今回のパXX行はそもそも「ダイビング」というものを自分がそこまで
好きなのかどうかを見極め、あわよくば少しでもダイビングのスキルを磨いて
追いつこうという目的である。
いつもはパXXというと夜はお姉ちゃんのいるバーでタイ語の教習を受けて
飲んだくれて沈没するのがコースだが今回のパXXはここ!
フカヒレ用サメ漁が禁猟となった場所でまじめに過ごします。
ムンバイからバンコク、バンコクから日本、日本からグアム、グアムからコロール。
第二次世界戦争中にガダルカナルを失い、ラバウルから逃げてきた
旧日本海軍連合艦隊の本拠地。初めて来たけどインドからは結構遠いなぁ。
遥かに悲しき戦いの地、ペリリュー島を見はるかす。
かつて2ヶ月半ほどの戦いがあり、あの島で1万2千人以上の日本兵と
米兵が亡くなった。
近くには日本軍が遺棄した燃料缶が転がり、
破壊された日本軍の野砲も見える。
砲はよい品質の鉄。これは2トン以上あるからもしも製鉄所まで持っていけば
スクラップで2万円にはなるだろう。 実際こうやって沈んだ軍艦や
輸送船もどんどん鉄屑となって片付けられていったのだ。
聞けばパラオ共和国南部、アンガウル準州では公用語として「日本語」が
使われているのだという。 でももう日本語を話す人たちも70歳を超え、
20年以内にはその指定もなくなるだろう。
コロール港は西太平洋海洋支配の根拠地となる良港だけあって、
古くはスペインからこの島を買い受けたドイツの海軍も
第一次世界大戦前には色々な設備を設けていた。
これは海中に設置された軍艦繋留用の浮標固定鎖と浮力固定用のブイ鉄球錘。
直径1mほどでなかなかフォトジェニック。
クルップ砲で有名な鉄鋼メーカーのティッセンクルップ製か。
色々残る戦争の暗い陰を離れ、4日間海で撮影して遊ぶ。
河豚好きの私は今回海の中でミナミハコフグを追った。
ビデオも撮れたのでUp。
http://youtu.be/1_3ar7-CN2w
海の中でハコフグ君がタイマイに出会うという、なかなかに
可愛い場面が偶然撮れた。
これはいつも大好きなフグを追いかけている成果である。フグは福に通じる。
好奇心旺盛なタイマイの子ガメ、慌てて逃げるハコフグ、両方とも可愛いなぁ。
海底でじっとしていると幅4mにも及ぶマンタレイが連れ立って
現れ、尻尾がカメラに触れ合わんばかり近くを通り過ぎる。
優雅に泳ぐその姿、
http://youtu.be/XWLi2mXomRU
確かにダイバーに愛されるわけである。
(差渡し3m強のマンタが海面近くでプランクトン捕食中)
今回の滞在中このポイント、潮の流れの速いGerman Channnelに4回潜って4回とも
マンタレイに出会うことができた。
リーフシャークの群れ、全部で20個体は居た。
ユーモラスなメガネモチウオ。
このあと私の頭にぶつかってきた。結構ごつごつして重いので痛かった。
魚は全体的におぼこく、あまり人を恐れない。
食物連鎖がはっきりしている為、魚はあくまで魚を怖れている。
ここに来ると皆が優雅な泳ぎのマンタレイ(オニイトマキエイ)に魅せられ、
泳ぎ方もマンタスタイルになってしまう。
浅い海にいる魚たちの多くに会えるパラオの海。豊かな海。
かつてこの地で米軍相手に絶望的な戦いを挑み、結果生き残り、
戦記著作の多くをものした舩坂 弘氏と知己のあった三島由紀夫も
この海に来れたのだろうか。
2013-03-05 06:00
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コメント(2)
素晴らしいの一言ですね。。やっぱ、同じPでもPattayaとは違う、
2頭を追ってはいけない。。ということですね。
by hanchan (2013-03-15 15:20)
二兎?
いつも我々は純粋に海と遊んでいますよ、ねぇ・・・
今度一緒に行きましょう!
by izumi (2013-03-15 21:23)