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タンザニア キリマンジャロ コーヒーと登山の思い出 [登山]

2004年2月のお話。 ヘミングウェイの短編小説を読んでから数十年憧れていたキリマンジャロ。
友人と一緒に行く予定だったのだが都合がつかず、結局一人で行くことに。

家人にいえばきっと反対されるに決まっていたので告げずにソウルからそっと旅立つ。
ソウルから東京、そしてバンコックへ、ドバイ、ナイロビと繋いで飛び、そこからバスで国境を越えて
タンザニアの登山基地、アルーシャへ。 ソウルの人ごみから自然公園入り口のマントヒヒとヌーの
群れまでわずか40時間の旅だった。 地球の狭さを実感する。 

私のことを野良犬ならぬ、「野良象」、「野良河馬」だと諦めている、良くできた妻は突然夫が
タンザニアから絵葉書を送ってきても動ずることはなかった。 

彼女は結婚する直前、相談したいことがあったのに、私が折悪しくインドのデカン高原に出張して
いて連絡がつかず、ハイデラバードの宿泊する予定だった宿に、私から返事があるまで同じ
ファックスを16回送ってきた凄い人だ。 インドのホテルではファックス受信に一枚あたり10ルピー
取られ、下のカウンターまで取りにいかねばならず、夜中に何回も起こされ、更に800ルピー
払わされたことは言うまい。

また、結婚してすぐの出張がブータン王国+パキスタンイスラム共和国と聞いても普通に、
「あ、いってらっしゃい」と送り出してくれる海外ずれした、つはものだ。 
コレラ感染地域から帰ってきても「あぁ、よかったわね」の一言で隔離されずに済む。
・・・でも、これって、夫に無関心という事なんだろうか?

そういう邪念はともかく、あの登山は楽しかった。 

あの登山は必ずガイドをつけて登らねばならない。 アルーシャのYMCAのドミトリーで知り合った
同宿のオランダ人女性二人と即席パーティーを組んでガイド・コック等の経費を節約した。 

経路はノーマルのマラングルート。 往路は高度順応を入れて途中で4泊し、アタック。 それでも
標高5000mからは高山病でメロメロになった。 二日酔いと同じ症状。 3歩登っては反吐を出し
ながらもたどり着いたお山の上は眺めがよく、はるか向こうまで見晴るかす。 昔登ったボルネオの
キナバル山と同じように、広い頂上でゆっくり眺望を楽しんだ。

下山も1泊2日。 登頂成功の喜びをかみしめつつ、森林限界・草原・熱帯雨林と変わる植生を
楽しみながら、駆け下った。 アルーシャの宿の近くにはカフェがあり、本場のキリマンジャロ
コーヒー1杯50円なりを頂きながら、もう一度「ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」を読み返した。

アフリカ、もう一度行きたいなぁ。 妻を引っ張り出して・・・
妻に見せたい、あのサバンナを。 動物園のとは違う本物の野良河馬や野良象を。


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コメント 2

シンさん

毎度すばらしい奥さんでうらやましい限りです。。。
by シンさん (2006-05-17 13:19) 

izumi

素晴らしい奥さんだという幻想を持つようにしています・・・(実態はともかく)
この幻想がスタンダール「恋愛論」の「結晶作用」を呼んでいるのかしらん?
by izumi (2006-05-17 17:16) 

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