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インド近郊の山々へ その1 [登山]

突然この3月からインディラガンディー国際空港利用者に施設料金が加算されることに
なった。 その料金が3000円近くになるという。 

デリーで一ヶ月分のメイドさんの給料が1万円だというのに、これは随分な高額な
料金設定。 結局国際線に乗るのは金持ちだから、そこからふんだくれというインド当局
の思惑がよく分かる。 まぁ、取れるところから取ったれ、という考え方には賛成する
部分もある。 この国では所得税を払っているのは国民の10%程度しかいないという
数字もあることだし。

しかし、やっと燃料付加運賃がオイルプライスの低下と共に下がってきたと
いうのになぁ・・・・・で、こうしてはいられないと、密かに狙っていたヒマラヤへの
ご挨拶をしに、急遽この週末土日でネパールへ行くことにした。 

だって、カトマンズまで1時間半、航空運賃往復で1万9千円の安近短旅行なんだもの。 
下手をするとインド南部のゴア行くより安い計算。 日本から海外旅行で来たらその6倍はする。
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ネパールに行くのはこれで4回目。 今まではいずれもネパールテレビ等への
出張だったから、市内もぜんぜん観光していない。 ネパールTVへ短期専門家
で赴任していたK先輩と夜のカトマンズをふらふら野良牛と野良人間を見物に
散歩したことくらいである。

そのために事前に世界遺産登録を受けた市内の観光スポットを効率的に
回るべくドライバーとガイドを手配。 空港ピックアップで市内4箇所を回ることに。
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インドでアジアを感じることはあまりない。 むしろ中東・欧州の影響が
色濃いように思う。 でも13年ぶりのカトマンズはやっぱり温かい、アジアを感じる町だった。


まず最初に回ったのは市内西部の丘に建つ仏教寺院、スワヤンブナート。文殊菩薩が建立したとの
言い伝えがある、古いお寺。 仏舎利を納めたストゥーパ(=卒塔婆)とその周りの仏を祀るお堂が
ネパールの人々の信仰を集めている。 


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白は平和、黄色は財力、その上の顔に見える鼻の部分はネパール数字の1を(唯一のもの)、
目は東西南北四方に描かれ、すべてを見通す仏の眼力、そしてその上の13重の笠は人が
悟りを得て極楽天上界に入るまでの13段階を、傘の上には天上界が蓮の花の上にあると
いうことをこのストゥーパは表しているのだという。



この日はバレンタインデーで、ネパールでも女の子にとっては特別な日、とのことで彼氏と
一緒に仲良くしているカップルが多くて少し妬けた。

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丘からの眺めはなかなかのもの。 カトマンズ盆地が一望とまではいかないが、市内は殆ど
見渡すことができた。



この寺は猿と犬が多い。 犬猿の仲というくらいだから喧嘩はしないのか、と聞いたら、
ここでは猿が優勢で、犬からは仕掛けないそうだ。 猿がごみをあさって食べていた。
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カトマンズの特徴は仏教徒とヒンドゥー教徒が交じり合って仲良くくらしていること。
この仏塔をみるとその様子が見て取れる。
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ヒンディーのリンガの上に仏様がいる。  ある意味珍しい混淆様式である。


次は市内のお寺へ。 
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旧カトマンズの中心地。 木造の寺院が立ち並ぶ姿はネパールのシンボルでもある。


市民の人気者の閻魔大王(の原型)。 
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真実を語らせる役割の神様は、なんとメトロポリタン警察署の前にある。
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うまくできた組み合わせだ。



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生き神のクマリという少女の選別の際のお籠もり寺。 
格式が高く、年に二回しか入れないとのこと。


お寺の前で天幕が張られ人がたくさん集まっているので覗いてみたら、
こんな情景が繰り広げられていた。 可愛い女の子たちを並べてお供えを
置いて・・・もっ、もしや、これは人身売買?
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・・・なわけないか。 ネワール族の儀式で、女性は小さいときに神様と一回結婚し、その後
初潮を迎える前に今度は太陽の神様と結婚し、そして人間の男とも結婚するだとのこと。
従って、同行二人、ならぬ三人と人生を送るため、人間の夫が死んで寡婦となってからも、
赤い色の服を着ることが許されるのだそうだ。 

そうか、ここでは赤いおべべ一つ着るにも大変なんだ。


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ネパールは土曜日が休日のため、お寺の前の広場はにぎわっている。 


古き伝統と新しき若い力が共存する例。
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シバ神の寺にスローガン。 いわく、「同性愛を認めろ!」との示威行為なのだそうで、
ガイドの人が苦笑いしていた。


この横には生き神さまの少女、クマリの住む家がある。 全面彫刻で覆われている。

クマリも選ばれてから6歳になると小学校の義務教育があり、国から特別に学校の先生が
派遣されて12時から4時までお勉強するらしい。 

そのクマリの家の屋根に、羽根を伸ばしてリラックスしている鳩がいたのでパチリ。
隙あり! 本当にあくびをするように羽を伸ばして拡げるんだ。 
これが本当に羽を伸ばすという決定的な画像!
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旧王宮広場。 みやげ物の露天市が開かれていた。
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この写真の右のビルの屋上がカフェーになっており、お茶をすることに。


屋上は眺めがいい。北には旧王宮の屋根越しにランタンリという、7000m峰が顔を見せていた。
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次に市内東北部のボダナート仏教寺院へ。
移動は車。

町の風景は概ねこんな感じ。
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結構ひらけている。 ネパールの帽子が可愛い。



ボダナートに到着。 ラマ教寺院。
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ここは誰が撮ってもこんな画になる場所。 大きなストゥーパ!
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下にはマニ車がたくさん並ぶ。 


仏教も、その一つであるラマ教もそうだが、お寺の参り方は必ず右回りに
回ることになっている。 カイラス回峰もそうするらしい。
理由はよく分からないが、そういう決まりになっている。
だから、みんな同じ方向を向いて歩くのが面白い。
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晴れた空にタルチョがはためく。
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世界平和を祈願する。 賽銭は・・・・要らないでしょう・・・
だって今までのお寺、全部入場料100ルピーから200ルピー取っているんだから・・・



最後はヒンドゥー教の聖地であるパシュ・パティナートを拝観。但し、拝観といっても境内の中は
ヒンドゥー教徒、それもインドネパール系の人しか入れない。 生贄や聖なる儀式を異教徒に
撮影されてどうのこうの言われたくないのだろう。 その気持ちはよく分かる。
K国だって犬食べることを他国にどうのこうの嚙み付かれたくないし、日本人だって鯨食べることを
他国に目くじらたてられたくないし、イギリス人だってキドニーパイやベジマイトがまずいだのと
外国人にいわれたくないだろう。 
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ここはシバ神を祀るお寺。 ちょうど2月23日のシバ神の祭りが近いとのことで花売りやら
行者(サドゥー)やらがかなり多く集まってきていた。 彼らはあやしの葉っぱを巻いて
吸っている。 あれは・・・きっとマリファナだな・・・



裏の川に出るとそこは火葬場。 夕方の寂くなった光の中にいくつもの煙が立ち上る。 

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遺体を焼いて浄化する。
それをバレンタインのデートで来ているカップル達と一緒に自分もぼんやりと眺めている。
生と死、もう少しヒンドゥー教的にいえば性と死は一体のもの。 生者必衰のことわり。

・・・それは実に自然なことなのだが、まぁ、敢えてデートで来る場所ではない気もするぞ・・・



宿はホテルKIDO。 知る人ぞ知る日系ホテル。

宿の中には「たむら」という、かつて食べて感動した日本食屋が店を構える。

精進落としじゃ、とばかりにビールを飲む。 ビールの名は「エベレストビール」!
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ラベルにサー・ヒラリーの撮った登頂の記念写真が英国地誌協会の許可の下使われているのがニクイ!

味はさほどうまくないが、マーケティングの勝利!
というわけで二本目からはこくがあってうまいゴルカビールを飲み進む。
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きんぴらにさばの塩焼き。 うれしいなぁ。 
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日本食なくても大丈夫!なーんて強がり言ってた割にはこの一ヶ月でデリーのバサントのたむら、
ニューフレンズのたむら、そしてカトマンズの元祖たむらの三件はしごしちゃった。
元々はこのカトマンズたむらが発祥だったのを、デリーに店を出して、そしてカトマンズはどうも
売ってしまったらしい。 14年前に来たときは縞枯山荘のおやじさんがトレッキングできていたっけ。

散々飲んで食べて、2000円! ネパールは財布にも優しい。

そしてこのホテルKIDOの目玉はもう一つ。
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浴槽のある風呂! インドでは自宅に風呂がなくシャワーで過ごしているため、ほぼ1ヵ月半
ぶりのお風呂に入り、すっかりリラックスして一日目は寝たのであった。




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コメント 2

なしごれん

ジャカルタの空港税は、今年から2万円でっせ!所得税納入証明があれば免除なのでフェアだと政府は言うが、所得税払えないような人はどうせ海外旅行など出来ない訳だし、良く分からない理屈だ。
カトマンズ、相変わらず埃っぽく見えますが、街はさらにボロくなっているのでは?
アジア世界遺産ツアー、次は、政権交代の際に登録確実なミャンマー・バガン遺跡ですね!
by なしごれん (2009-02-16 10:36) 

izumi

2万円!海外旅行者も払うのでしょうか? なら私は行かんぞ・・・
信じられん・・・といいつつ会社に出勤するのであった・・・
by izumi (2009-02-16 11:05) 

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