デリーの自動車生活 修行編 [自動車]
人生楽あれば苦あり。
納車して1ヶ月も経たないまだまだ新車の白いホンダCity。
でも、何となく外観は古びてきた。
一回後部に追突されているし、ミラーの接触は3－4回あった。
ふれあいの多い国なのね、きっと。
それにここはインド。
「盛者必衰のことわり」をあらわしてしまう本場の苛酷な環境に住んでいるの
だからしょうがないと諦めている。
形あるもの、いつかは壊れる、仕方ない。 妻は私が高価なガラスのカップや食器を
落として割るたびにそうつぶやいて心の平安と夫婦円満を保ってきたものだ。
まことによくできた嫁である。
で、車なのだが少し気候が緩んだ2週間前から何か車の中で臭うようになってきた。
・・・嗅いだこともないような動物質の臭い。 魚やお肉を悪くしたことはあるが、
それよりもきつい。 今までかいだ中で一番ひどい臭いはきゅうりを腐らせてしまって
液化したときのものだったが、それにも勝る強い嫌な臭いだ。
まさか厄年越えて加齢臭が出てきて自分が臭いのかと思って髪に手を
やって嗅いでみたり、自分のシャツをくんくん嗅いだり、上着を脱いで嗅いでみたり、
悪いけどオフィスでスタッフに嗅いでもらったりしたが、どうも自分には
原因が無いようである。
で、これがいわゆるドライバー君の体臭という奴かと、暫く我慢していたが、その臭いが
どんどん強くなってきた。 そして先週ついに耐え切れなくなり、月曜日から窓を開けて
外気を入れて呼吸をするようにした。
でも、ここはインド、交差点で停まる度に物売りや物乞いが押しかけてくるので、
その窓開け対策にも限界がある。
一方、運転手は意に介せず、一つから二つ、二つから三つへと、芳香剤の数を
どんどん増やし、その香りもきついものにグレードアップして来る。 そうか、
自分の体臭を消すために彼も必死なんだ。
でも悪臭ときつい芳香剤で息が・・・ついに車内では気息奄々、呼吸絶え絶え。
刺激で咳は出るし、鼻は出るし、車から降りてもその混ざった臭いが髪の毛と
服に残るようになってしまった。
それに、あろうことかドライバー君自身も咳むせているではないか。
・・・これは我慢比べ大会を毎朝毎晩開催しているような状態である。
インドの修行とはかくもつらい試練だったのね。
もはや車に乗るのが怖くなった。 これでは仕事に支障が出る。
日常の生活の苦しみの中に悟りを得る、という2週間の嗅覚修行生活は挫折。
ついに我慢できなくなり、これから暑い夏を迎えて窓を開ける事もかなわなく
なることも考え、先週金曜日に会社の総務担当者に訴え、「悪いがあのドライバー
さんは体臭がきつくて耐えられない、代えてくれ」とお願い。
で、総務担当が事情聴取したところ、ドライバー君は先週からシートカバーを
つけるようにして、それが臭うのだと言っていたという。
いやいやそんなことはあるまい、先々週からこれは発生していたんだからと答え、
いよいよ実況見分をしてもらい、調べたところまったく情けないことが判明した・・・・
確かに悪臭が存在するのでホンダの工場に出して見てもらっての報告、あぁ・・・
「エアコンダクトの中にネズミが二匹、死んで殆ど溶けてたけど、
取り除いたからもう大丈夫だよ！」
よかった！ 理由が見つかったんだ！ ふーん、それで臭かったのね。
かわいそうなネズミ君達。 合掌。
・・・二週間に渡って運転手君も私もそのかぐわしき香りを嗅いでいたのね。
道理でお互い鼻と喉の調子が悪くなるわけだよなぁ。 これは、最早笑うしかない。
上着やスラックスにも臭いがついてしまっているので洗いに出さねば。
しかし、なんていう・・・・
これに気づかず、芳香剤をエアコンの吹き出し口にヒンドゥー寺院の
花飾りのように増やしていたドライバー君、悪いが君には管理責任がある。
で、代わってもらうことに。
確かに今朝からは残り香があるものの、かなり悪臭は消えていた。
しかし、鼻腔の細胞と脳細胞の中に強烈な体験となって遺伝子転写されて
しまったものは永遠の思い出となるであろう。 思い出したくはないが・・・ダイエットの
時には反芻するのも悪くないかも。
昼時に同僚にこの週末にネパール行って大変楽しかったと話をしたら、それは
君の「幸せ度満足レベル」がかなりインド化してきている証拠であると笑われたが、
そういう悟りはこうした苦しみの生活の中にいるからこそ得られるものなのかもしれない。
人生苦あれば少しの楽でも幸福になる。 これは何かネガだなぁ・・・
でも、こういうことを経験すると人間が練れていいと思う。 インド、嫌いじゃない。
（なぜなんだろう、インドだから許す、という心が生まれてきたような気がする。これが
同じことが以前暮らしていたK国で起きていたら、きっと怒りが爆発するかも。
それは・・・キムチの唐辛子とカレーのチリパウダーの違いのせいだな、きっと。）
納車して1ヶ月も経たないまだまだ新車の白いホンダCity。
でも、何となく外観は古びてきた。
一回後部に追突されているし、ミラーの接触は3－4回あった。
ふれあいの多い国なのね、きっと。
それにここはインド。
「盛者必衰のことわり」をあらわしてしまう本場の苛酷な環境に住んでいるの
だからしょうがないと諦めている。
形あるもの、いつかは壊れる、仕方ない。 妻は私が高価なガラスのカップや食器を
落として割るたびにそうつぶやいて心の平安と夫婦円満を保ってきたものだ。
まことによくできた嫁である。
で、車なのだが少し気候が緩んだ2週間前から何か車の中で臭うようになってきた。
・・・嗅いだこともないような動物質の臭い。 魚やお肉を悪くしたことはあるが、
それよりもきつい。 今までかいだ中で一番ひどい臭いはきゅうりを腐らせてしまって
液化したときのものだったが、それにも勝る強い嫌な臭いだ。
まさか厄年越えて加齢臭が出てきて自分が臭いのかと思って髪に手を
やって嗅いでみたり、自分のシャツをくんくん嗅いだり、上着を脱いで嗅いでみたり、
悪いけどオフィスでスタッフに嗅いでもらったりしたが、どうも自分には
原因が無いようである。
で、これがいわゆるドライバー君の体臭という奴かと、暫く我慢していたが、その臭いが
どんどん強くなってきた。 そして先週ついに耐え切れなくなり、月曜日から窓を開けて
外気を入れて呼吸をするようにした。
でも、ここはインド、交差点で停まる度に物売りや物乞いが押しかけてくるので、
その窓開け対策にも限界がある。
一方、運転手は意に介せず、一つから二つ、二つから三つへと、芳香剤の数を
どんどん増やし、その香りもきついものにグレードアップして来る。 そうか、
自分の体臭を消すために彼も必死なんだ。
でも悪臭ときつい芳香剤で息が・・・ついに車内では気息奄々、呼吸絶え絶え。
刺激で咳は出るし、鼻は出るし、車から降りてもその混ざった臭いが髪の毛と
服に残るようになってしまった。
それに、あろうことかドライバー君自身も咳むせているではないか。
・・・これは我慢比べ大会を毎朝毎晩開催しているような状態である。
インドの修行とはかくもつらい試練だったのね。
もはや車に乗るのが怖くなった。 これでは仕事に支障が出る。
日常の生活の苦しみの中に悟りを得る、という2週間の嗅覚修行生活は挫折。
ついに我慢できなくなり、これから暑い夏を迎えて窓を開ける事もかなわなく
なることも考え、先週金曜日に会社の総務担当者に訴え、「悪いがあのドライバー
さんは体臭がきつくて耐えられない、代えてくれ」とお願い。
で、総務担当が事情聴取したところ、ドライバー君は先週からシートカバーを
つけるようにして、それが臭うのだと言っていたという。
いやいやそんなことはあるまい、先々週からこれは発生していたんだからと答え、
いよいよ実況見分をしてもらい、調べたところまったく情けないことが判明した・・・・
確かに悪臭が存在するのでホンダの工場に出して見てもらっての報告、あぁ・・・
「エアコンダクトの中にネズミが二匹、死んで殆ど溶けてたけど、
取り除いたからもう大丈夫だよ！」
よかった！ 理由が見つかったんだ！ ふーん、それで臭かったのね。
かわいそうなネズミ君達。 合掌。
・・・二週間に渡って運転手君も私もそのかぐわしき香りを嗅いでいたのね。
道理でお互い鼻と喉の調子が悪くなるわけだよなぁ。 これは、最早笑うしかない。
上着やスラックスにも臭いがついてしまっているので洗いに出さねば。
しかし、なんていう・・・・
これに気づかず、芳香剤をエアコンの吹き出し口にヒンドゥー寺院の
花飾りのように増やしていたドライバー君、悪いが君には管理責任がある。
で、代わってもらうことに。
確かに今朝からは残り香があるものの、かなり悪臭は消えていた。
しかし、鼻腔の細胞と脳細胞の中に強烈な体験となって遺伝子転写されて
しまったものは永遠の思い出となるであろう。 思い出したくはないが・・・ダイエットの
時には反芻するのも悪くないかも。
昼時に同僚にこの週末にネパール行って大変楽しかったと話をしたら、それは
君の「幸せ度満足レベル」がかなりインド化してきている証拠であると笑われたが、
そういう悟りはこうした苦しみの生活の中にいるからこそ得られるものなのかもしれない。
人生苦あれば少しの楽でも幸福になる。 これは何かネガだなぁ・・・
でも、こういうことを経験すると人間が練れていいと思う。 インド、嫌いじゃない。
（なぜなんだろう、インドだから許す、という心が生まれてきたような気がする。これが
同じことが以前暮らしていたK国で起きていたら、きっと怒りが爆発するかも。
それは・・・キムチの唐辛子とカレーのチリパウダーの違いのせいだな、きっと。）
UP待ってました。 この一件はIzumiさんが悟りをひらく元になった記念すべき出来事として、後年まで語り継がれることは間違い無し。 一歩一歩解脱して、仏の境地に近づいていますね。 このようなことがあっても、かのK国と違い、なんとなく神経を尖らせていないのが、文章からもうかがい知れます。 そして、流石はインド、車の販売店も、ちゃんとすぐ原因を見つけるということは、こういうことは初めてでは無いのでしょう。 健康にだけは、ご留意ください。
by 銅羅湾の煩悩 (2009-02-18 12:01)
ご心配ありがとうございます。 健康は失われた後にありがたく思うものですので、そうならないように気をつけたく思います。 HKGと違って何もないので、物欲は失せつつあります。 でもシティースーパーや、BKKの伊勢丹やシンガポールの明治屋が恋しくなるのはどうにもこうにも仕方ないですね。
by izumi (2009-02-18 21:39)
物欲喪失も解脱のうちーーー。 まあそれは冗談としても、その買い物しない分、必要経費と割り切って、BKKやSINGや、ちょっと足を伸ばしてよいならHKGにでも時々食料仕入に出かけて、うまいものでも食べて帰ってくるほうが、精神的には良いかも。 当方、かのK国や日本で収まっていた物欲がここではーーー。 でも仕送りするので元手がーーー。
by 銅羅湾の煩悩 (2009-02-18 22:34)
はい、そう割り切って先週でかけたのがカトマンズだったのです。
それより遠いと1泊2日ではつらいです・・・ヤンゴンまでが限界かしら？
あと、以前と違いまして管理屋は座敷が掛からないとどこにも行けないんです・・・でも何かやらされていることはM○と営○っぽいことが多いのですが。
やはり、煩悩は音が鳴ったり、チクチクと小さいビートが聞こえるもの関係でしょうか？？ それはチムチャツイでも誘惑は多そうですね。
by izumi (2009-02-19 01:54)
『ねずみの死骸による被害
ねずみは屋根裏、配管、厨房機器、あらゆる場所で死んでしまいます。そして腐敗すると酷い悪臭が漂い、ハエの発生源になります』。
次はエアコンつけたら、ハエがどわーっと出てきたりして。おお、B級映画になりそうな。
by なしごれん (2009-02-19 16:14)
ギャー、やめてくれ。
そうですか！ 早速今日からエアコン少し試験運転しなくては！
by izumi (2009-02-19 16:24)
その小さいビートが聞こえるものですが、K国では全く買う気が起らなかったのに、ここでは煩悩がむくむくと、クリスマス前に衝動でーーー。 その時に、店の人と話していてわかったのは、今やその店の売り上げの9割近くがC国本土からの客からだとか。宝石類も同様のようです。 確かにセール時期の終わった今でも、そごう、LV等々の袋をいっぱい抱えたC国からの人を沢山見かけます。 どんどん買って、ここの経済を活性化してくれ。
by 銅羅湾の煩悩 (2009-02-19 18:38)
太子堂でしょうか・・・ボーメ、先々月、二回目のオーバーホールに出しました。3年に一回は仕方がないとはいえ、結構かかります。繊細なゼニスや実用本位なコアキシャルのダイバーも欲しいなぁ、と思う今日この頃です。 韓国行けば今は安いかと・・・・
by izumi (2009-02-22 00:31)
恥ずかしながら、今まで一本も持っていなかったR社のものを、正規代理店東方表行で。 ビート音を出す機械は、ここ五年くらいでEuro高のせいもあったでしょうが、ずいぶん値上がりしました。 ゼニスなどその最たるもので、高級路線をひた走り。 そうそう、ダイバーと言えば、滅多に新製品を出さないR社が防水3900ｍというのを出しました。 現在超品薄で希少価値。 Ｏ社のコアキシャルも信頼性の観点からは、お勧め。 メンテは、本当に物いりですね。私もここに来てから、ゼニスをオーバーホール（なんと当方と同じビルにサービスセンターが。）し、今はI社のクロノを依頼中です。 新品も良いですが、使い込んだものが、また調子が良くなって戻ってくると、愛着もひとしおですね。
by 銅羅湾の煩悩 (2009-02-23 10:21)