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キリマンジャロ登山のコツ [登山]

キリマンジャロは美しく、巨大なアフリカ最高峰。 DSC0108510.JPG 地元で固有名詞として認識する場合は「我らの山」というほどの 意味らしいのですが、スワヒリでもモシ現地のチャガ語でも 語源は両様に取れ、スワヒリでは「白い山」あるいは「輝く山」、 山麓で話されるチャガ語では「難しい岡」という意味とのことです。 日本からツアーにせよ、個人手配にせよ、数十万円の 費用がかかるキリマンジャロ登山。 そうそう何度も気軽に訪れることのできる場所ではありません。 行くからには山を楽しむことももちろんですが、その大きな目的の一つは 最高峰ウフルピークの5896mの頂を踏み、氷河を、火口カルデラを 目の当たりにすることでしょう。 DSC011411.JPG その登頂成功率を高める為には何が必要なのか、八年前に高山病で苦しみ、 火口壁のギルマンズポイントで敗退。 しかし今回は比較的スムーズに 登頂できた経験を基にいくつかのポイントを挙げてみました。 「マラング(コカ・コーラ)ルートでの登山といえども侮るべからず」 DSC0099220.JPG メインの登山道、マラングルートは別名コカ・コーラルートとも呼ばれます。  これは他のルートに比べて道や山小屋(ハット)が整備されているため、 その登り易さからついた名前だそうです。(実際にはコカ・コーラは 缶廃棄による汚染を防ぐ環境保護の視点から販売されていません。 どうしても飲みたい場合はポーターの裏稼業としてハット床下に 隠されて売られていますのでポーターまで聞いてみてください) DSC0102814.JPG 重い荷物はポーター任せ、登山道もすばらしく整備されていることもあり、 1日目のマンダラハット、2日目のホロンボハットまでは楽勝です。 しかし、ホロンボハットからキボハット間は9.7Kmと距離も長く、標高差も 3700mから4700mと1000mもあり、高度的に日本では経験できない環境で あるため、ホロンボハットでは元気だった者もLast Water Pointを過ぎ、 マベンジリッジ(頂稜)を越えた4000m地点からサドルの赤い火星のような 景色を見るころには息苦しさと自らの歩みの遅さに愕然とし、 目前にそびゆるキボ峰を登りきれるか不安を覚えることでしょう。  2002年の自分がまさにそうでした。 しかし今回は高度訓化トレーニングを事前にしていった為、 ホロンボハット以降もまったく快調そのもの。 「口すぼめ二度強く吐き、一回吸い」呼吸法でブルドーザーのように どんどんキボハットまでの1000mを登って行くことができました。 キボハット到着後もギルマンズポイントへと続くザラ場を睨み、 これなら明日は絶対登れると思えたのでした。 従ってキリマンジャロ登山に関しては以下の準備をしておくことが 望ましいと考えます。 1)体力の涵養に努め、活動に必要な常備薬を持っていくこと。 家と職場は車通勤、職場には平均11時間居て、そのうち10時間以上は 座りっぱなしの生活をしている霜降り肉のぐうたら中年だって1ヶ月前から スクワットや腕立てをすれば少しはパワー増強されようというもの。 体力は登山の基本です。 あと、薬と体調維持のサプルメントは必要に応じて持っていくことです。 少し多めにもって行ってもポーターがキボハットまで担いでくれます。   曰く日焼け止め、コンタクトの目薬、洗浄薬、鼻水止め (アタック時に鼻腔から酸素を吸うのに意外と効きます)、 咳止め、浅田飴(その他、飴はキボ峰登りのザラ場には喉を湿らせるために 効果あり)、リステリン、入れ歯洗浄剤、胃薬、下痢止め、携帯用ウォシュレット、 筋肉痛予防のバンテリンジェル、インシュリン、アスピリン(高山での筋肉痙攣に 即効性あり)、唐辛子粉(アタックのときに靴下の中に少量入れると血行が よくなって温かい)、 また、高度が上がって気圧が下がると虫歯が痛む人も居ますので、 事前に歯は治しておいたほうがいいです。 尚、同じく気圧の低いところに縁のある飛行機操縦免許の更新健康診断の 時も歯は重要検査項目の一つです。 2)高度訓化トレーニング 夏冬問わず、キリマンジャロ登山の2-3週間前に富士山に登っておくか、 それができなければ原宿その他の低酸素チャンバーにて高度訓化トレーニングを しておくことをお勧めします。 これをするかしないかで、登山の成功率は3割違うと思います。 今回ギルマンズポイント直下までまったく呼吸が乱れることなくマイペースで 登れたのは山行1週間前にカシミールの標高3800mの町で一泊した投資の 賜物だったと思います。  高度トレーニングをしっかりと行えば登頂成功率は3割は違うでしょう。 DSC0118710.JPG 折角安くないお金を払っていくのですから、登頂したいですよねぇ。 備えあれば憂いは減ります。 3)寒さ対策は日本の冬山用服装で投資は惜しまない 服装は長袖下着にタイツ、長袖シャツ、フリース、ゴアの上下、 シュラフは日本の冬山用(三季用はX)、手袋は冬用ゴアの二重以上、 フェイスマスクか目出帽を。  キボの頂稜は1月20日夜で気温マイナス10度、風も秒速10mありました。  他、ホロンボハットも明け方には冷えます。 また、ホロンボから苦労して たどり着くキボハットは前回もそうでしたが冷蔵庫のように冷え切った小屋です。 寒さは体力を奪います。 すぐに暖かいシュラフ被って夜の出発に備えて仮眠しましょう。 今回隣にいたオランダ人は三季用シュラフの中で寒さで震えており、 我々よりも早く出発したのに疲れて途中でてこずったらしく、 2時間遅れでようやく登頂していました。   眠れなくてもじっとうとうとしているだけで結構です。  そしてこうした冬用の装備があって初めてキリマンジャロ登山に 臨めるのだと思います。但し足元はゴアの軽い登山靴に二重靴下で大丈夫です。  前回の自分もそうでしたが気張って革の重登山靴を履いてのアタックは 疲れるだけで損です。 道は頂上までしっかりしておりそうした靴が活躍する 岩場はありません。 数十万円の費用、ガイド・ポーター費用とそれに費やす時間に比べれば 靴・ウェアとシュラフへの投資などたいしたことないと思います。  ここの準備で2割は成功率が変わるでしょう。 <ご参考> 服装・身の回りの装備の比較 2002年 2010年 半そでTシャツ 登山用下着上下長袖(替え3着用意) 登山用下着(パンツ) 防寒フェイスマスク タイツ ヒートテックタイツ(ひざ丈と足首丈の二組使い分け) コットン登山パンツ アディダスの厚手のジャージパンツ ネルシャツ 登山用速乾性シャツ フリース フリース 登山用ゴア上下雨具 登山用ゴア上下スーツ 登山用ゴア手袋二重 登山用ゴア手袋三重 毛の靴下二重 毛の靴下二重 Goroの革製冬山用登山靴 スポルデイングのビブラム底ウォーキングシューズ スカルパ登山靴(もって行ったけどザックの肥やしになった) 豆球ヘッドランプ LEDヘッドランプ 水筒1L 同じ水筒1L 携帯電話GSM Vodafoneはキボ小屋の上でも使えました。 NTTドコモはXでした。 カシオのプロトレックはあると便利です。コンパスにもなります  高度計も小屋ごとに較正すれば十分に使えます。 最後に・・・皆様の無事な登山旅行を祈ります。
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