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今年は花見ができました [旅は道連れ世は情け]

昨春はデリーでアーモンドのお花見だった。

今年は期せずしてワシントンの国務省の前で葉桜見物ができた。
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ワシントンと桜といえばアメリカ初代大統領、ジョージワシントンが
子供の時の桜を誤って切ってしまい、それをお父さんに正直に申し出て
桜の木よりもその正直さが尊い、と褒められたた話をよく覚えており、
(どうもそれは後年の作り話だったらしいが)日本近代史にも大きな影響を
与えてきた米国国務省の見学(外観のみ)と共になかなか
感慨深い花見となった。

デリーからバンコック、成田の乗り継ぎを経てワシントンまで二泊、
30時間あまり。鼻風邪気味で風邪薬を飲んで食事も摂らずに
殆ど寝ていた為、あっと言う間だった。
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で、ここワシントンに来ようと思ったのはスミソニアン博物館で
アポロを見たかったからである。 今まではワシントンは何回か
訪れたのだが乗り継ぎの通過点でしかなかった。

宿泊はその近く、米国財務省裏のWホテル。
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ここはホワイトハウスまで歩いて5分。
夜に見物に行く。 町の治安は大変よろしい。 
老若男女が散歩している。


到着! 大きいなぁ、そしてきれいだ。
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おのぼりさんは自分ばかりではなく、アメリカ人にとってもここは特別な場所らしく、
修学旅行とおぼしき学生の群れが夜遅くまで写真を撮っていた。 大きな建物だ。
1945年の8月10日、日本がポツダム宣言を受諾したニュースを聞き、
このホワイトハウスの北側の広場には戦争終了を喜ぶ群衆が集まり、
時の大統領、ハリートルーマンもわざわざホワイトハウスから
出てきて群集に挨拶したと言う。 


ホテルに帰って一泊。 
土地の値段が高いのか、300ドルもしたのにバスタブも無く、狭いホテルだった。
1階に若者がパーティー衣装で集まっているのでフロントに何か特別な行事があるのかと
聞けば、ここは夜遅くまで毎日パーティーが行われる「パーティーホテル」なのだそうだ。


翌朝散歩に出かける。 
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屹立して聳え立つワシントン記念塔まで10分ほど。 


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愛国心発揚にはいい構図。 

よくここの場所が出てくるものといえばベトナム戦争映画。

あの戦争が終結した年には浅田美代子が屋根で西城秀樹と
「あのぉー娘は、どこーの娘、そんな夕暮ーれー」なんて歌っていた。
そして松本ちえこの「恋人試験」なんていう、65点がちょうどいい、
なんていう歌が流行っていた。 恋人試験では自分は嫌われる点数を
取る嫌な奴だった。 小学生は勉強が本分だったからな。


ここからこの塔の姿が西陽に映えて投影される設計に
なっている細長い池とその先のリンカーン記念堂へ歩く。 

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池の手前には第二次世界大戦戦没者の出身別の慰霊碑がある。
各州と信託統治地域毎に花輪のモニュメントが飾られている。
もう日本はアメリカとは戦争しないから安心してね・・・


リンカーン像の前には静粛に、Templeという文字が見える。 
受験英語では「お寺」だが、祈念館ほどの意味なのだろう。
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リンカーン。 
どうもピンと来ないが、人民の、人民による人民の為の・・・は余りに有名だ。 
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撃たれて亡くなったのだった、合掌。



リンカーン像目線で前を見るとこんな感じ
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塔の先にはモールと呼ばれる官庁街と議事堂がある。


裏に回ればすぐ目の前はポトマック川。 そしてアーリントン墓地へと続く橋が見える。
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ここから北に歩き、国務省の前を通り、ホワイトハウス南側をかすめて
宿に戻る。
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ホワイトハウスは海兵隊の記念行事が行われるため、オバマが居るらしく
警戒が厳重で、近づこうとすると警官に注意されてしまう。 

よく見るホワイトハウスのたたずまいは南側から庭越しに見るこの図である。
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二階が執務室とのこと。



宿の近くの様子がよさそうなレストランで朝食をいただく。
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ジャンバラヤをオーダーしたら「Good Selection!」といわれた。
嘘でも気持ちがいいもんだ。 
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おいしかった。


ここで終戦後の日本の統治地域の解体状況の中公新書を読んでいたら
隣の席のアメリカ人から声をかけられた。 日本で英語の先生をしていたので
日本人が懐かしくて話したかったらしい。 中国人は多いが日本人は珍しく
なったそうだ。 現在の国力と勢いの差だろう。
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チェックアウトし、荷物を預けて博物館へ。地下鉄で二駅。
歩いても20分ほどでいけそうだったが昨日間違えてスマートカードへチャージ
しようとして地下鉄の切符を2ドル分買ってしまったのでそれを使うことにした。
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スミソニアン駅。車輌はきたないが建築のデザインはきれい。

ここからTHE MALLという緑地帯の官庁街をしばし歩く。
天気もからりと晴れて気持ちがいい。
連邦航空宇宙局NASAの外局オフィスもここにある。

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その向かい側にあるのが航空宇宙博物館。 入場無料。 

来る前から期待はしていたが、ここの展示物には圧倒された。
フレンドシップ・ソユーズ・アポロ・スカイラブ等、宇宙船の本物が展示されている。

パーシングにトマホークのミサイルも・・・
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そうか、トマホークはレイセオンではなくてGDが作っていたのか。


懐かしきスパコンのクレイ。 
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ここはシリコングラフィックと合併した後IBMになってしまった。
クレイを見て、昔米国の原潜搭載用機器の商談でカリフォルニアへ
出張したのを思い出す。
「コンマ一秒の速さが一億人を救う」、
「我々のビジネスにはある程度の世界の緊張が必要だ」
とお客さんが言っていたっけ。 思えば怖い世界の一歩手前にいたもんだ。


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子供達へいかに揚力というものを教えるかについてもきちんと展示され、これは
アメリカには到底日本は敵わないと実感した。


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この復元されたライト兄弟飛行機から100年、航空宇宙産業技術の進歩は
軍事と結びついて目覚しい速度で発展を遂げたことをしみじみ感じた。

これは本物の、ライト兄弟が当時作った飛行機のプロペラ。 
国宝ものだろう。
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一方、時代はくだって大気圏再突入で焦げたカプセル。
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こんな小さい乗り物でグレンは戻ってきたのか。
さぞ窮屈で怖かったろうなぁ。


スカイラブの中に入れる!
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うぉー、アポロ月面着陸船!
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これらの新品宇宙船は全部バックアップマシンだから「本物」だ。


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ひょー、本物の宇宙船と人類にとっては大きな一歩の瞬間の再現。


でも航空宇宙技術は軍事と隣り合わせ。ロケットといえばドイツのVロケット。
V2の本物が飾られている。 
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大きいなぁ。こんなのがロンドンに飛んできたのか。 おっかない。


これ世界最初のロケットエンジン飛行機。ドイツ製。
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・・・・そして米国はドイツから学んだのだ・・・



アメリカ空母艦載機、ドーントレス雷撃機やF4F戦闘機、ゼロ戦もある。
これらも全部本物。
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政治的左翼が「アカ」と呼ばれた理由がよく見てとれる。

飛行機の左翼の信号灯は赤、
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右翼は青なんだよなぁ。
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ぼうっと感心して眺めていたらあっという間に時間が過ぎて空港へ向かう時間となった。

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最後に月の石(三角の部分)を触って、ホテルに戻って荷物をぴピックアップ、
ワシントン・ダレス空港に向かった。

今日も夜行便だ。


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ひげのすけ

相変わらず元気で遊びまわってるのね
日本は明日からGWでお休みでございます
孫が家にいるので遠出はできまへん
by ひげのすけ (2010-04-28 21:46) 

izumi

日本で最もお若い世代のおじい様、こんにちは!
世が世なれば、自分ももうおじいさんでも
おかしくないのだなぁと思うと、今まで生殖行為を
きちんとしてこなかった過去の自分が悔やまれます。
さぞお孫さんは可愛いことでしょう。
次はめざせ、「曾(ひ)孫」ですね!

GWですか!
そういえば昨日から妻がインドに来ているのでした。
by izumi (2010-04-29 14:32) 

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