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バラナシ出張 ガンジス川水質改善 [天竺編]

もう二度と来る事もないだろうと思っていたバラナシへ3回目の訪問(出張)。
二度あることは三度ある、を地で行くことになった。 

バラナシ空港は前回の皆既日食の撮影の際に訪れたボロの建物が
改築されてこんな近代的な空港となっていた。
動力電源の停電と天井の照明の暗さがなければインドの空港とは思えない。 
ウドンタニかヤンゴンかマニラの空港と見間違える位である。
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前回は撮影の楽しい仕事だったが今度は嫌気性、好気性微生物を
使って川をきれいにするお堅い仕事での訪問となった。
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上流100km地点でのBOD値はおよそ120程度か。 CODは100少し。 
これがバラナシに来ると川の流れに「色々な栄養分」が増えて
一気に数値が上がる。 本当は川の水質改善よりも自分の栄養分増加と
デブ体質改善が急務で、ガンマGTPの数値を下げねばいけないのだが、
仕事は仕事で別腹で考えなければいけない。

この聖地に来るのはヒンドゥー教徒にとっては憧れ。
行者も一日ヨガをするよりもこの地で泊まって寝る方が修行になるのだと
いうことでたくさん集まってくる。

自らが滅したあと、それをガンジスに還すこともヒンドゥーの憧れで、
朝から晩まで川岸のガートの火葬場の煙は絶えない。 

仕事を済ませてデリーに戻る前、午前中にFREEの時間があった。
バラナシからデリーへの戻りの飛行機は一番早いものでも
お昼の12時を回った時間の出発便となる。

人の脂の焼ける匂いを覚えている私はあまり行きたくなかったのだが
「行かれます?」と聞いたら「行く!」というので仕方なく
日本からの出張者と一緒にガートへ。  
まぁ、折角来たなら一回は見てみたいよなぁ。

で、ガンガーへ行けば当然船に乗ることになる。
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朝から料金交渉。 3人で1000、3人で900、3人で600ときて
3人で450で時間も無いし面倒くさいので話をまとめる。
どう考えても我々、スーツ着てカモな格好だし・・・

岸を離れて間もなく、すーっとボートが近寄ってくる。 

お土産もの売りだ、こいつ日本語うまいな。
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「今忙しい?駄目でも帰りにきっとな、私の名前はXXXX、よろしくね!」
見ればなかなかハンサムだし、日本人の彼女でも居るのか?

煙たなびくこの地こそぉ、我が懐かしき、焼き場なれ。
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薪を満載した船。 
そこに焼かれる順番を待つ遺体が錦に巻かれて横たわる。
ま、人間いつかは死ぬしな。 ならばインドのように最期はお祝い、お祭りとして
皆に祝ってもらうのも一興だ。

でも自分の順番が来たら焼かれるよりもサバンナでハイエナに食わしてやりたい
のだが、かつてそう話したらタンザニア人のガイド君曰く、「人間の味を覚えるから駄目」
なのだそうだ。 漱石ではないが、この世はとかくむつかしい。

人の焼ける脂の匂いを髪の毛に炊き込めるようゆっくりと船は進む。
昔の焼き場ってこういう匂いだったっけ。 これをいい匂いと思うならその人は
食人の習慣があるということであろう。 

出張者に「上陸して焼き場見てみます?」と言ったら「いや、結構。」とのことなので、
船着場に戻る。 このあたりでBOD200くらいか。 川の水に手を入れて、冷たい
ですね、ここで長沢まさみは泳いだんですねー、と言ったら、その手を振って水を
こっちに飛ばすなよ、という感じの奇異の目で見られた。 
どうもインドボケしてきたのだろうか。

船着場には出発するときには無かった羊の死体が流されてきていた。 
半眼の目が青白くてシュールだ。 良かった、人間の子供じゃなくて。


ガートを離れ、物乞いを振り切るようにして車に乗り込み、
精進落としを兼ねて仏教四大聖地のサールナートへ。

ここは仏陀が悟りを得てから最初に説法をした土地。
最初の説法相手は人間でなく、鹿であったという伝説を持つ。
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弟子たちがブッダを迎えた場所に建てられた巨大な塔(ストゥーパ)は健在。


ごちゃごちゃしたヒンドゥーのお寺と違って静謐な佇まい。
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落ち着くなぁ。


世界の仏教徒が巡礼に訪れる。

これはあの世への乗り物が小さい仏教のタイの人たち。 
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熱心にタイのお経を唱える。 乗り物小さいと往生するにも極楽行くにも大変だ。


その横で不信心で大乗仏教な日本人は子犬と遊ぶ。
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遊ぶことで無心になれる。 これも悟りか。

遺跡に隣接する博物館を駆け足で回る。 

国章となった獅子像に再会。 
相変わらずいい面構えの獅子である。品格もある。

5世紀末の作といわれる初転法輪像・・・よいお顔。傑作である。
ただ、館内には鳩が飛びまわり、この像の上にもとまる。
糞をしそうになると警備員が追い払う。 国宝級の仏像だろうに・・・インドだなぁ。
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足元に法輪が見える。脇には鹿。 
下には修行仲間であった5人(元釈迦族の家来の了本際、正願、正語、大号、仁賢)と
母と子の姿が刻まれる。 この母と子はブッダの妻子? 

夫婦、親子の情愛よりも多くの人を苦しみから救うことに生きた人、ブッダ。
思わず手を合わせて拝みたくなる。

万人を救うことは無理でもせめて私は妻のカルマと煩悩を救ってあげたい。 
そんな崇高な気持ちと共にデリーへ飛び、そしてプネへと向かった。


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