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アッサムⅠ カマーキャ寺院参詣 [天竺編]

2009年3月21日の週末、アッサムへお茶を求めて飛ぶ。

デリーから2時間あまりのフライトで州都グワハティへ到着。
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お茶栽培には日当たりのよい斜面が適しているそうで、
真っ平に近いデリーに比べれば丘が点在している風景が新鮮。



アッサムという名には懐かしい響きがある。

高校生のときのサークルにお父さんの仕事の関係でインドの帰国子女で
田園調布双葉に通っていたインディラガンジー風の目鼻のはっきりした
きれいなお姉さんが居て、彼女に連れられて新宿高野のティーショップで
紅茶についてのご進講を皆で受けたことがあった。

それまで紅茶といえば日東紅茶か三井農林か、はたまたトワイニング
しか知らなかった高校生。
ケニア、アッサム、ダージリンやニルギリなど、
生産地別のお茶の味の違いがあるというのは新鮮な驚きであると
共に、興味を覚えたものだ。 

まったく違う外国のお茶の文化ということに目を開かせてくれたあのお姉さんは
カトリック菊名教会というところで今で言うボランティア、昔の言葉で奉仕活動
というものを行っておられた。マザーテレサという人の存在を知ったのもその方を
通じてのことだった。 自分より少し年上とはいうものの、若いのになかなかに
よくできた人物であった。

それ以来、少しずつではあるが紅茶の味の違いをを楽しみ、どこかにインドという
異国への憧憬を抱くようになった。


さて、インドやバングラ、ネパール、ブータンなどへ出張で行くようになっても
このインド東北領の溢部であるセブンシスターズ(seven sisetrsという名で
呼ばれる小さな7つの民族色豊かな州の集まり・・国境紛争や独立運動などの
政治的影響により、現在は外国人にはそのうち3つしか立ち入りが許されていない)
には中々訪れる機会が無かった。 (・・・まったく仕事がなかったから) 

そこで思い立って今年の早摘みの一番茶を飲みにアッサム州の州都まで
個人旅行で行ってみることにしたのだ。


ここにはヒンドゥー教のシヴァ神の奥さんの「ほと」が落ちた事で
有名なお寺、カマーキャ寺院がある。
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ここは10億を越すヒンドゥー教徒の中でも特別な存在のお寺。


グワハティ市内から臨むカマーキャのある山。
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この山の先の稜線沿いに寺院が建てられている。




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参詣の参道はイスラムの廟も仏教もカトリックもヒンディーも
皆似たような懐かしい眺め。



寺院には坂を少し登っていく。
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道の両側には高尾山と同じくみやげ物が立ち並ぶ。



「!」
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こんなもの売ってるんだ・・・ヒンドゥー教でのこの世の模型である。
棒の部分がリンガ。男性器の象徴であり、下の皿状のものがヨーニ。

これは全ての人間の起こり、ものごとの始まりを表わしている。 

ヒンドゥー教ではシヴァ神が女性と性交をし、結果として現われたのがこの世の中
ということになっており、即ちこの性交した状態から生まれる子供こそがわれわれの
生きている世界である。 我々はまだ子供なので外の世界を知らず、性交している
シヴァを女性器の内側から見ている形となる。

なんと大らかな世界観。

 

5分ほどで入り口に到着。
靴と靴下は手前で脱ぐ。 尚、靴を手に提げては中に入れない。
預けるか、素早くカバンに仕舞い込んで見えないようにしないと
いけない。


寺院の中は基本的に撮影禁止。
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秘儀の行われる建物の中はもちろん、境内でも写真を撮ると信者に注意される
聖なる場所。


塔の外側にはデバダー(天女)やガネーシャの彫刻がきれいに残っている。
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ガネーシャはエビス様のようなもの。 富を祈ってか、1ルピー硬貨が像に貼られている。



生贄の黒い子山羊。
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・・・今日3時までに全ての命が捧げられる。


写真だと判りにくいが、この網の中に一列に並び、人数の入場制限つきで
寺院内部にしずしずと入っていくことになる。 週末ということもあって
入るまでに20分も掛かった。
DSC04947.JPG



当然中の写真は撮れない。

この内部で見たこと、起きたことは話してはいけないのかしらん?
そうは書いていなかった。

写真に残すとすぐ外部社会から残酷だの非衛生だの言われるから
撮影禁止なわけだろうが、要は御しるしへの礼拝と生贄の儀式が
行われている。 

内部は山羊と鶏の血と建物一杯に溢れた信者の祈りのパワーで
むせ返らんばかり。  

うぃー、熱気で酔っ払ってしまいそう。

早々に出ることにするが、列がつかえて中々先に出られないよう。
結局並んで出てくるまでの60mあまりの行程に30分も掛かってしまった。


さすがにインド屈指のヒンドゥー寺院だけあって濃厚な体験に少し
上気しながら異教徒は産道ならぬ、参道を下ってシャバへ下るのであった。

DSC04964.JPG





















 
 

 
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履歴書の書き方

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 履歴書の書き方 (2014-06-25 10:44) 

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